違いは一言でいうと
月額の予約 SaaS は、お店の流れを SaaS の枠に合わせるものです。受託開発は、システムをお店の流れに合わせるものです。日本には LINE と連携できる予約 SaaS がいくつもあり、メニュー → 日時 → 確定という標準的な流れなら、ほとんどの業種で十分に使えます。
判断の4つの軸
1. 流れは標準的か
次のような要件がある場合、SaaS の枠に合わせると業務が歪みやすくなります。
- 担当者の指名と、担当者ごとの細かいシフト
- 予約時間になったら担当者側から会話を始める(オンライン相談など)
- 予約の前に問診や相談内容の入力が必要で、内容によって案内が変わる
- 「金曜の夜あいてますか」のような自由文で予約を受けたい
どれにも当てはまらなければ、SaaS を検討してください。
2. 既存のシステムとつなぐか
CRM、POS、会員データベース、基幹システムと予約データをやり取りする場合、SaaS 側に用意された連携機能で足りるかがポイントです。足りなければ、受託開発のほうが素直に作れます。先方システムの API の有無と仕様で、費用が大きく変わります。
3. データをどこに置くか
予約や顧客のデータを、クライアント様自身のサーバーや指定のクラウド(日本リージョンなど)に置く必要がある場合は、受託開発が向いています。SaaS ではデータは提供元のサーバーにあり、解約時に何をどの形式で書き出せるかを事前に確認しておく必要があります。
4. 5年間でいくらになるか
比べるのは初期費用ではなく、使う期間全体の総額です。
| 項目 | 月額 SaaS | 受託開発 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 低い(無料〜) | 開発費(当社の場合25万円〜) |
| 毎月の費用 | プラン料金。店舗数・スタッフ数で増えることが多い | サーバー代と任意の保守費 |
| 共通でかかる費用 | LINE 公式アカウントの月額プランとメッセージ通数(どちらの方式でも同じ) | |
| 流れの変更 | SaaS の機能の範囲内 | 都度見積もり |
| やめるとき | データの書き出し範囲を確認 | ソースコードと DB は手元に残る |
月額 × 60か月 が開発費と保守費の合計を上回るなら、受託開発のほうが総額で安くなることがあります。逆に、1店舗で月額が低いプランに収まるなら、SaaS が明らかに有利です。
早見表
| 状況 | おすすめ |
|---|---|
| 1店舗・標準的な流れ・連携なし | 月額 SaaS |
| 多店舗だが流れは標準的 | SaaS の店舗数課金で5年総額を試算してから判断 |
| 担当者指名・時間になったら会話開始など特殊な流れ | 受託開発 |
| 既存の CRM・POS・会員 DB と連携 | 受託開発(先方 API を確認してから) |
| データを自社サーバーに置く必要がある | 受託開発 |
代理店の立場から
代理店にとって SaaS は、設定代行と運用支援で継続的な売上を作りやすい選択肢です。受託開発は、SaaS では断るしかなかった案件を受けられるようにする選択肢です。どちらが正しいかではなく、案件ごとに使い分けるものです。
当社では最初の30分の打ち合わせで、まずこの判断をします。SaaS で足りる案件は、そうお伝えします。